当社で取り扱っている各種ボード製品に関連する技術情報ライブラリです。
バス規格
業界標準の各種バス規格・ボード規格を解説
PCI Express


- 高速シリアル通信を採用したコンピュータ向け拡張カードの規格
- ソフトウェアで PCI との高い互換性あり。シリアル通信線(レーン)を複数本束ねること(x4, x8, x16など)により、より高い伝送レートを得ることができる
- PCI Express 1.0 (Gen1) では1レーンあたりの転送レートは 2Gbps 、2.0 (Gen2) では 4Gbps、3.0 (Gen3)では 8Gbps
- PCI Express 4.0 (Gen4) では 16GT/s の転送レートとなり、3.0の2倍となる
PCI-X


- PCI をベースに、64bit 化、高クロック化(最高 133MHz)に拡張した規格
- PCI と上位互換性あり
- 信号の高速化だけでなく、転送効率の向上もされている
- 高速化された PCI-X 2.0でダブルデータレート及びクアッドデータレートにより266MHz、533MHzを実現
CompactPCI


- 産業用向けに機械的な堅牢さが求められるアプリケーションのために作られたPCI規格
- PCI と互換信号を使用することで電気的な部分で汎用性を高めつつ、ホットスワップにも対応
- ボードの幅は 6U と 3U が規定されており、システムの小型化にも対応
- CompactPCI を拡張した規格として、PXI 、CompactPCI Express、PXI Express がある
PXI Express


- 1997年にNational Instrumentsによって導入されたモジュラー式計測プラットフォーム「PCI eXtensions for Instrumentation(PXI)」にPCI Expressを適合させバスを高速化したもの
- データレートは最大6GB/sだが、2015年に拡張され現在は24GB/sを実現している
- National Instruments社や、ADLINK社、Keysight社など測定器プラットフォームのメーカーが採用している
- サイズは6Uと3Uを規定しているが、現在は3Uが主流となっている
- PXI Systems Allianceという業界コンソーシアムにより運営されている
PMC


- PCI Mezzanine Cardの略称で、IEEE P1386.1 で規格化された小型ボードの規格
- はがきの 2/3 ほどの大きさのボードで、一般にベースボードに搭載して A/D 、D/A などのI/O 機能を提供する
- ベースボードとのインタフェースは PCI 、PCI-X と汎用 I/F がサポートされており、FPGA 等を搭載してプリプロセス機能を持たせることも可能
XMC


- VITA 42の規格で、PMCに高速シリアル通信の為の信号(コネクタ)を追加した規格
- サイズは PMC と共通で、ベースボードとの間に PCI Express や Serial RapidIO のためのポートを追加することで、高速に多量のデータが扱える
- コンダクションクール仕様にも対応
VME


- 1980 年代に開発され、現在でも航空・宇宙・防衛分野で使用されているANSI/IEEEの組込みボード規格
- 現在では上位互換で転送速度 80MB/s の VME64 という規格が主流
- 後に規格化された2eSST(Dual edge, Source Synchronous data Transfer)プロトコルにより最大320MB/s のデータ転送が可能となった
- 耐環境仕様の製品も充実
VXS


- VME ボードの P0 コネクタ位置に高速シリアル通信のコネクタを追加することで、VME バスとの高い親和性と高い転送速度を両立させた規格
- 高速シリアルは4レーン×2チャネル用意され、1対1のボード間、またはスイッチボードを経由してさらに多くのボード間での通信が可能
- PCI Express、Serial RapidIO, InfiniBandなどの高速シリアル通信でバックプレーンを経由してボード間のデータ転送が可能
VPX/VPX-REDI


- VME とそれに関連する規格を策定している VITA による、最新の組込みボード規格
- VME や VXS とのコネクタの互換性を廃する代わりに、VXS で使用されている MultiGig コネクタを7個並べることで、最大で160レーン分の高速シリアル通信路を提供
- 信号レベルで VME64 をサポートしており、ハイブリッドバックプレーンを使用することでVME、VXS との混在も可能
- VPX-REDI(Ruggedized Enhanced Design Implementation)では、特に冷却関連の物理仕様が定められ、強制空冷、コンダクションクーリング、リキッドクーリングなどがある
- OpenVPX (VITA 65)というシステムレベルの規格により相互運用性を高めている
AdvancedTCA(ATCA)


- Advanced Telecomunications Computing Architectureの略称、PICMGの規格で主に通信業界向けの規格
- 高速通信に対応し、管理機能や高可用性を重視
- 各カードには高速シリアル通信のコネクタと管理インタフェースが接続され、またカードあたりの供給電力も他の規格より大きい
- システムとしても2重化が考慮された構成
AdvancedMC(AMC)


- Advanced Mezzanine Cardの略称で、主に AdvancedTCA 向けメザニンカードの規格
- 現在は μTCA でも利用可能となっている
- ホットスワップ機能にも対応
- AdvancedTCA と同じく管理インタフェースを備えている
MicroTCA(MTCA)


- Micro Telecommunications Computing Architectureの略称で、高機能化した AMC ボードを直接使用して、コンパクトな機器を実現するための規格
- Cube と呼ばれる構成もある
- 信頼性、高可用性や管理のしやすさは、AMC ボードと同等
FMC


- FPGA Mezzanine Cardの略称で、VITA 57.1として規格化されたFPGA用のメザニンカード規格
- PMC/XMCはI/O とプロセッシング機能が載ることが多いが、FMC ではベースボードに対して A/D 、D/A 等の I/O 機能のみを提供する構成
- 高速化、多機能化の進む FPGA にほぼ直結し、より高度な信号処理と構成の柔軟さを目指した規格
FMC+


- FMCを拡張した規格で、VITA 57.4として規格化されたFPGAメザニンカード規格
- マルチギガビットインターフェースの数を32本に増やし、データレートを28Gbpsに高速化
- FMCよりも大きなコネクタで、560ピンのHigh Serial Pin Connector (HSPC) を採用
- FMC+のベースボードはFMCカードを搭載可能であり、下位互換となっている
COM Express


- PICMG(PCI Industrial Computer Manufactures Group)によるコンピュータモジュールの標準規格
- モジュールのサイズは、Mini(55x84mm)/Compact(95x95mm)/Basic(95x125mm)/Extended(110x155mm)の4種類が規定されている
- 最も一般的に使用されているCOM Expressのピンアウトは、Type 6/Type 7/Type 10の3種類
- Type 1から5はレガシーとなっており、現在新規設計の製品では使用されていない
- 小型で軽量のため、無人偵察機やドローンなどに搭載することが可能